もう少しだけ続くんぢゃ

さて、音程を終ったので、次は短調長調


まず、普通の長調(Major Scale)、ドレミファソラシド。
これは、次の音程で音が並んでいます。


ド(長二度)レ(長二度)ミ(短二度)ファ(長二度)ソ(長二度)ラ(長二度)シ(短二度)ド


逆に言うと、この音程での音の並びを人間は長調と認識する、ということになります。
それぞれの音には名前が付けられています。

  1. ド⇒I度。主音。
  2. レ⇒II度。上主音。主音の長二度上、短七度下。
  3. ミ⇒III度。中音。主音の長三度上、短六度下。
  4. ファ⇒IV度。下属音。主音の完全四度上、完全五度下。
  5. ソ⇒V度。属音。主音の完全五度上、完全四度下。
  6. ラ⇒VI度。下中音。主音の長六度上、短三度下。
  7. シ⇒VII度。導音。主音の長七度上、短二度下。



では、次に短調
短調長調に比べてちょっとめんどくさいんですけど。
先ずは普通に白鍵だけで行けるラシドレミファソラ。
これは自然短音階(Natural Minor Scale)と呼ばれます。


ラ(長二度)シ(短二度)ド(長二度)レ(長二度)ミ(短二度)ファ(長二度)ソ(長二度)ラ


が、音程が違うので書いておきます。

  1. ラ⇒I度。主音。
  2. シ⇒II度。上主音。主音の長二度上、短七度下。
  3. ド⇒III度。中音。主音の短三度上、長六度下。
  4. レ⇒IV度。下属音。主音の完全四度上、完全五度下。
  5. ミ⇒V度。属音。主音の完全五度上、完全四度下。
  6. ファ⇒VI度。下中音。主音の短六度上、長三度下。
  7. ソ⇒VII度。主音の短七度上、長二度下。



さて、上のNatural MinorでのVII度ですが、音の名前が書いてありません。
西洋音楽における導音(Leading Note)とは、常に主音の半音下でなければならないからです。
勉強不足で申し訳ないのですが、この、自然短音階のVII度はなんていう名前だか知りません。(^_^;


で、このソ⇒ラという終止には、長調のシ⇒ドのような絶対的な終止感は薄いと言われています。
日本人は割と終止感を感じられるとも言われています*1が、西洋人には物足りないそうです。
この薄い終止感を補完する為、強引に主音の短二度下に音を移動させた音階が派生しました。
和声的短音階(Harmonic Minor Scale)と言います。


ラ(長二度)シ(短二度)ド(長二度)レ(長二度)ミ(短二度)ファ(増二度)ソ#(短二度)ラ


これでVII度が主音の短二度下に位置し、導音としての役割を果たせることになりました。
最後のVII度だけ変わります。

  1. ラ⇒I度。主音。
  2. シ⇒II度。上主音。主音の長二度上、短七度下。
  3. ド⇒III度。中音。主音の短三度上、長六度下。
  4. レ⇒IV度。下属音。主音の完全四度上、完全五度下。
  5. ミ⇒V度。属音。主音の完全五度上、完全四度下。
  6. ファ⇒VI度。下中音。主音の短六度上、長三度下。
  7. ソ#⇒VII度。導音。主音の長七度上、短二度下。



さて、コレで和声的な安定感と共に終止を得ることが出来るようになったわけなんですが。
困ったコトに、ファ⇒ソ#という、増二度の音の流れはちょっとクセがあってあまり美しくない。
という意見が大勢を占めてしまったそうです。
そこで歌いやすいようにVI度も半音上げちゃえ、という音階が派生しました。
旋律的短音階(Melodic Minor Scale)と言います。


ラ(長二度)シ(短二度)ド(長二度)レ(長二度)ミ(長二度)ファ#(長二度)ソ#(短二度)ラ


ちょっとピアノとかで弾いてみたりするとよく分かるんですが、とても綺麗に終れます。
主音からの音程はこんな感じになります。

  1. ラ⇒I度。主音。
  2. シ⇒II度。上主音。主音の長二度上、短七度下。
  3. ド⇒III度。中音。主音の短三度上、長六度下。
  4. レ⇒IV度。下属音。主音の完全四度上、完全五度下。
  5. ミ⇒V度。属音。主音の完全五度上、完全四度下。
  6. ファ#⇒VI度。下中音。主音の長六度上、短三度下。
  7. ソ#⇒VII度。導音。主音の長七度上、短二度下。



長調と見比べて見るとわかりますが、音程については、最早III度以外は同じですよね。


さて、上記三つの短音階を記述しましたけれども。
Harmonic MinorとMelodic Minorについては、一般的に上昇系の時、と言われています。
ラソファミレドシラ、と音が降りてくる時にはファもソもナチュラルのままとなります。


ただ、ここで語っている音楽理論は、やや古典的なものであり。
現実的に我々が耳にする現代の音楽では、このような縛りはありません。
が、下降時に上昇系の音程を使う曲ってあまり聴かないので。
こっちのがきっと心地良いんでしょうね。
いや、ボクが知らないだけで下降時に上昇系の音程を使う曲ってたくさんあるのかも知れませんけど。


さて、ここまでで短調長調の基本的なお話はお終い。
次はコードの基本ですかね。

*1:日本の音階が、ドレミソラドの5音音階=ペンタ・トニックだからだ、と言う理由が一般的に支持されています。