ねこ

ねこが好きである。
自分勝手なところが良い。
都合のいい時だけ擦り寄ってくるのが良い。
構いすぎると怒るところが良い。
でも、やっぱり眠る時は一緒なところが良い。


かつて、ボクのねこが死んだ時。
ボクの世界は一気に色褪せた。
セピアとかモノクロームとか。
そんなカッコイイものじゃない。
ただ、世界から色が無くなっていた。
かつて、アレ程の失墜感と虚脱感の中。
大声をあげて泣いたことは無かった。


中学の卒業くらいに貰ってきて。
それからの10年間を。
共に生きた親友だった。
アイツが居なければ。
乗り越えるのにもっと沢山の努力が
必要だったと思えることが。
なんて多いことだろう。


キミが居ることが。
ボクの全てだった時期がある。
そう。
確かに、ある。


時々、やりきれなくなるのだ。