あたりめ

あたりめ、好きである。


最近、イカを食う機会が増えたと思う。
昔はイカってのは「安い」食い物だと思っててさ。
あんまり好んで食わなかったと記憶している。
原因はいくつかあるのだが、恐らく大きく関与する
ものは次の2点だと思う。
・お袋が寿司屋でイカを良く食った
山科けいすけの「キントトハウス」で総統閣下が
 ホッピーと一緒に良く食っていた。
 (コレは同じ理由でホルモン焼きを卑下してた)


昔、ウチは父親の両親と一緒に住んでてね。
で、祖父母と共に寿司屋なんか行くとさ。
お袋は遠慮してあんまり食わなかった。
でも、イカは割と良く注文してたと思う。
だから、当時はイカを「遠慮してても食いたいもの」
とは思っていなかった。
「遠慮しぃしぃ食べる安いもの」と思ってた。


山科けいすけは貧乏な生活を描かせたらピカ一だと。
今でもそう思っている。
野球のパロディなんてやってる場合じゃないだろ。
そこで、描かれるキャラが良くホッピー片手にさ。
あたりめを食ってるんだよ。ホルモン焼きとか。
「貧乏にとってのご馳走」という認識でしかなく。
「酒の友として最高」だとは思っていなかった。


で、この認識が一転したのは3年くらい前。
仕事で九州に出張した時にさ。
接待を受けた料亭で出されたイカの刺身。
クチの中で吸盤がくっつくくらい新鮮でさ。
自分の中の「イカ観」が根底から覆された。
イカによるゲシュタルト崩壊というと過言か。
以降、イカを馬鹿にしなくなった。


今ではモンゴイカの刺身やあたりめなんか。
凄い好物である。
あると必ず頼むかな。
でも、スルメ系は、やっぱ家で焼きたてに
マヨネーズと醤油つけて、七味を掛けてから
食うのが一番美味いような気がしてならない。